象を撃つ ジョージ・オーウェル

 今日は、ジョージ・オーウェルの「象を撃つ」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 ジョージ・オーウェルの作品は「1984」が有名で、現代でも最新訳でこれが読めるんです。この「象を撃つ」というのはちょっとすごい作品で、苦力を殺してしまった害獣のゾウを、英国人がライフルで撃つ。一文で書くと、法的にも倫理的にも、なんの問題も無さそうに見えるんですが……、行為者本人が自身の悪について論考している。帝国批判の書でもあるんです。オーウェルのような批評性のある近代作家はほとんど居ないのではないかと思いました。物語上での問題は、正当防衛と言えない時間差があることで、今まさにもう1人の人間が被害にあいそうだというときに害獣を銃撃することは、明確な正当防衛であってなんの問題も無いんですが、ゾウはすでに殺人の意思を持たない状態になっていて、撃つ必要がほとんどまったく無くなっているのが、主人公の行為に違和感を抱かせるんです。
 見えないところからの嘲笑、それから逃れたいがために、問題を大きくしてしまう……。最後の一文で、主人公の思惑の真相が明記されていて、これにも唸りました。
  

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