五月の詩 坂口安吾

 今日は、坂口安吾の「五月の詩」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 坂口安吾と言えば、戦後になってから特攻隊の死と生について論じた、武士道の次の世界について描く、迫力のある作家だと思うんですが、今回は、武士の物騒なはなしから随筆がはじまります。現実に起きたおそろしい話もしていて、これって怪談のつもりではなく書いているのが、なおさら怖いと思いました。度胸だめしで、無理をしすぎて恐ろしいことが起きてしまうことをいくつか記しています。坂口安吾の「いくら僕が馬鹿でも、そんな意地は張らぬ」という記載が妙に印象に残りました。
 戦時中の新聞をまとめて読んでみるということをしたことがあるんですけど、このころの新聞は防衛論も非論理的でひどいものなんですけど、これを戦中なのにしっかり批判出来た作家は、ほとんど居ないように思うんです。坂口安吾はそのへんもはっきりと批評していて、時代を超える人は……すごいもんだと思いました。
「日本といふ国は変な国なんだ」という指摘とその前後に読み応えがありました。
 坂口安吾はぜったいにこの随筆で感動をもたらそうとしていないはずなんですが、安吾の怒り、不遇の者の心情を慮る態度に感嘆せざるを得なかったです。こんな危険な時代に、どうして無事でずっと太く生きられたんだろうかと、思いながら読みました。悲惨な戦争が終わるまであと3年もかかる、1942年の随筆でした。

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