今日は、小川未明の「夕暮の窓より」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
海外の哲学者は詩をあまたに書く、と聞いた時に、近現代の日本文化に、そういうものがあるんだろうかと思って驚いたんです。
今回の小川未明は、いつもの童話とはちがって、散文詩と思索の入り混じったようなものを書いていて、なんだかすてきでした。
私は、時間といい、また空間という、仮定された思想のために多くの人々が、生活を誤謬の淵底に導きつゝあることを知った。此世に時間というものはない。此の世に空間と名づけられた形あるものもない。ただ、それが観念に過ぎぬと知った時に自分等の生活は、時間と空間の中に営まれているべきものとは思われない。
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追記 小川未明の童話の中に時折、賢治の描いた石炭袋のような不思議な気配が生じていることがあると思うのですが、それを小川未明が書いた事由が、本稿の終盤に記されていると思いました。