今日は、若山牧水の「樹木とその葉 歌と宗教」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
近代日本の宗教性というと、西洋文学に影響を受けて、聖書の物語を、小説に引用している箇所が多いのと、北海道の大学で、キリスト教と文学研究が盛んになされたというのと、賢治や漱石が仏教の影響を色濃く受けているところがあるのが、近代文学の特徴なのかと思います。若山牧水は、宗教性を持たない自己のことを今回、論考しています。
若山牧水は、自身の「歌」のことについて思案しながら、宗教とはどういうものかを考えてゆきます。歌を作るからには、自己の表出がある。そこには、無私や帰依とは異なる人間性があるはず、と指摘していました。本文こうです。
何か知ら自分の思つてゐることを言ひ現はしてみたいといふ心の下には必ずその「自分」といふものが動いてゐねばならぬ
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追記 古来のものや大きなものを頼りとせずに、自分で自分の歌を作っている若山牧水の説く「歌と自分」との関係性のことを読んでみると、なぜ賢治や漱石は、こういう牧水の考えとは異なる展開で「無私」を要点とした創作が出来たのか、どういった心境で小説を書いたのだろうかと思いました。