今日は、中井正一の「歴史の流れの中の図書館」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
日本の集団の動き方の問題点について、第二次大戦時の軍事や科学研究を、日米で比較しながら、中井正一が考察しています。
そこから図書館のしくみが3つある、という話に展開します。まずいちばん古い図書館は、博物館の蔵のように、保存することを中心とした図書館で、これは人々に公開されていない。本を秘宝のように扱っている奇妙な施設のことです。2つめは本を持ち寄ってバザールのように人が出入りして活発に本を貸し出す、生きた図書館について語っています。そして20世紀中盤の、3つめの新しい図書館というのが、インフォメーションセンターとしての図書館で、これはいわば今で言うとwikipediaみたいに情報を整頓し上手く情報を流通させる機能を持っている組織のことを言っているようです。前半に指摘していた、日本の集団が陥りがちな機能不全についての問題提議が、半世紀後に読んでもなんだかすごい指摘に思います。 このエッセーの後半に記されている平和な集団の存在感が、読んでいて印象に残りました。
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