沈黙の塔 森鴎外

 今日は、森鴎外の「沈黙の塔」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 森鴎外というと、異なる時代を詳細に調べあげて史実のごとく事細かに描く、精妙な記載が特徴的な文豪だと思うんですけれども、今回の「沈黙の塔」ではSFなのかなと思うほど奇異な、寓話のようなものがまず描かれています。作中でパアシイ族というのが、危険な仲間割れを行っている。そのことを今作では描いています。
 ゾロアスター教の信者パールスィーがかつて原理主義だったころのことを、描いているのか、そうではなくてパアシイ族という架空の集団を描いているのかは判断がつかないのですが、ぼくとしては架空の集団を記して、隠喩として当時の日本の政治批判を行っているのだ、というように読みました。
 森鴎外は明治四十年(1907年)に軍医総監(陸軍省医務局長)であって国家の中枢で仕事をしていたわけですけれども、今作では国家批判を厳しく行っていて、検閲と禁書行為を、直接的に批判しているんです。
 1946年に成立した「日本国憲法第21条」は、なんだかとても大事なものを作ったんだなと、思いました。
 

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