今日は、寺田寅彦の「漫画と科学」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
この随筆は1921年、今からちょうど100年くらい前に書かれたものです。ちょっと奇妙なことが書いてあって、20世紀初頭の漫画の歴史を書いていると思ったら、どうもそうじゃないんです。漫画……というと20世紀アメリカン・コミックスの技法を取り入れた物語漫画のことを一般に指ししめしていると思うんですけど、寺田寅彦が「漫画」というときは、北斎や鳥羽僧正のつまり戯画のことを言っているようなんです。ぼくの感覚では漫画というとストーリー漫画や起承転結の4コマ漫画しか思いうかばず、一枚絵の作品は漫画と呼ばないと思っていたんですけど、寺田寅彦は一枚絵の漫画について今回論じています。現代ではこれをマンガと言わないで、風刺絵か戯画か美術かイラストだと考えると思います。百年経ったら言葉の中身が変わっちゃうんだ、と思ってなんだか無意味なところで驚きました。1920年代の漫画の歴史についてはwikipediaに詳しく記されていました。
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