今日は、芥川龍之介の「追憶」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これは芥川龍之介の、実話の随筆なんですけど、おもに子どものころのことを記しています。幽霊の話しとか、いたずらとおしおきの話しが妙に印象に残りました。
あと、動物の遺骸の処理が現代とまったく異なっていて、つまり町外れには腐臭が漂っていたのだろうかと、思いました。
山奥の遺骸はふつうに鳥や虫たちが解体してゆくわけで、二十日もあれば骨になるみたいです。
芥川龍之介は軍人の家系の中で育って海軍機関学校で英語の教官をしていたわけですけど、作品をみると軍国主義という感じがしないです。その理由がちょっと見えてくるのが、この随筆の三十五番目のところで登場する、久井田さんと漱石の話なんです。ほんの少しの時間しか会っていない人が、けっこう重大な価値を齎すことって、あるよなあと思いました。漱石の生き方がどういうように芥川に影響を与えたんだろうか、ちょっと調べてみたいと思いました。
学生時代に、ライオンというあだ名の友人と長い旅をしたことを書いているんですけど、その描写が瀟洒とでも言えば良いのか、見事なんです。これが子どものころの芥川龍之介の感覚なんだ、と思いました。
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