道 水野仙子

 今日は、水野仙子の「道」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 涼しい晩夏について記すところから「私」の小説がはじまります。まだ九月なのに寒い風が吹く。
 季節の微妙な変化と風景と心情の細やかな描写が美しいように思いました。
 水野仙子は、苦について淡々と記すんですが、病と愛を結びつけて描くところがほかにない独特な魅力を生じさせているように思いました。夫婦二人の間に現れるAという画家の男が、「私」の夫婦生活とはべつのまなざしを投じているところがなんだか精妙な展開に思います。
 最後の第二十章だけを、まったく別のものに書き直すとしたら、いったいどういう章が新しく描かれるんだろうと思いました。終盤の「ほんたうの道」という言葉が印象に残りました。
 

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