今日は、豊島与志雄の「食慾」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
この小説の舞台になっている火山は、今の日本ではちょっと存在していないかと思うんです。登山者がハイキングのついでに観光できて、火口を目の当たりにできるような、場所です。活火山の溶岩を見つめながら「私」は野口とのこれまでの結婚生活や「木村さん」のことについて考えるのでした。「私」と、その夫の「野口」と、「木村さん」の三角関係が描きだされます。
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追記 夫である野口の欲深さや生臭い匂いを嫌う「私」は、食欲を失ったような生きかたをしていたんですが、噴火口に魅入られた木村さんとの交流を通して、ある変化が生まれます。野口を裏切って「木村さん」と結ばれる未来について夢想し、2人でその可能性について語りあい、「私」は「ただ白痴のような微笑を浮べて」しまうのでした……。