細雪(11) 谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その11を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 いよいよ、物語の本筋である、雪子のお見合いが始まりました。どうなるんだろうと、ちょっと緊張した場面なのかと思ったら、たんに世間話に花を咲かせるような、華やかな二家族の会食がはじまるのでした。会話文が流暢で、読んでいていちいち興味をひかれます。おもに、お酒のみの家族の楽しさみたいなことが記されます。もの静かで理知的な雪子だから、おっとは酒を楽しめる人のほうが和んで良いのでは、というお話しでした。僕は全然お酒が飲めないんですけど、お酒が楽しければそれは良いなあと思います。ちょっと先まであらすじを見てしまったんですけど、これ、おそらくなにかしらの理由で、このお見合いはポシャるんですよ。それなのに明るいし、穏やかに話が進行する。駄目になる事柄というとふつうの現代海外ドラマとかだと、悲惨に悲惨を上塗りするような事態が起き続けるわけですけど、現実や近代文学の場合は、たいてい「かなり上手くことが運んでいたのになあ……意外と進展しなかったなあ」というような、良さそうな条件がいろいろ見えてくるもんなのでは、と思いました。
 

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「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。

■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)

追記   楽そうに楽そうにみえて意外と苦の展開だった、というのが現実をうまく映し出したこの物語の魅力でもあるのでは、と思いました。