細雪(43)谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その43を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 日本での仕事を辞めて祖国へ帰るシュトルツ氏が、一時的に東京に立ち寄った時に、シュトルツ氏のおとなりさんとして長らくお付き合いがあった雪子は、このシュトルツ親子を連れて、東京の観光案内をしたのでした。80数年前の東京にはもはや誰もたどり着けないわけで、この東京の描写というのが、なんとも奇妙な魅力を感じるものでした。じっさい空襲で様相が一変した時期に書かれた本なので、作者の谷崎は、敗戦寸前と戦後すぐにこの本を書いているので、1940年ごろの東京のことをもう二度と見られないと思いながら書いたんだと思います。文字で辿る東京の様相がなんだか奇妙で、壮観でした。
 幸子と雪子が、東京と関西で離れて暮らすようになる、おとなりさんだったドイツ人シュトルツ一家が日本での仕事を辞めて祖国へ帰る……遠のいたものをつなぎ合わせようとする、谷崎潤一郎の「細雪」の構造が見えてくる、シュトルツ家と蒔岡四姉妹の関係性なのでした。
 

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当サイトでは『細雪 中巻一』を通し番号で『細雪 三十』と記載しています。『中巻三十五』は通し番号で『六十四』と表記しています。
 
「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。
  
■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)