細雪(9) 谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その9を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 この物語の中心人物である雪子の……フィアンセ候補である、井谷と親族が、次回あたりでやっと現れます。
 ところが、日付の取り決めとか、同伴者の服装の地味さを命じられているとか、女中さんがまだ秘密のはずのことを幼子に漏らしてしまってそれで問題が起きているとか、ちょっとしたところでなんだかものごとがすんなり進まないような気配もあります。
 古式ゆかしい、楚々とした女である雪子のことを、姉の幸子はもう、見た目からして絶賛したくてしょうがない。
 雪子はもうなんどもお見合いをしていてどうも上手くゆかない。こんどこそ本命のフィアンセ候補のはずなので、これは親族もソワソワしている。
 お見合いの問題が親族間で話しあわれていて、こんども縁談が立ち消えになってしまうと、繰り返し準備してきた人たちにいろんな迷惑がかかってしまうことを心配していて、とうの雪子は泣いてしまいます。お見合い寸前なのに、泣きはらした顔では上手くゆくものも上手くゆかない。いったん落ちついて、ものごとが上手く進むように、それぞれ苦慮しているので、ありました。
 読み方としては正しくないんですが、2022年の戦争に日本が直接的に巻きこまれていた場合は、現代日本人は、谷崎が大空襲間近のころに描いたこの物語内部のように、戦争がありながら平和だけに意識を集中して暮らしている人々が、あまたに生じるはずだ……というように思いました。
 

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「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。

■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)