不思議な国の話 室生犀星

 今日は、室生犀星の「不思議な国の話」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは静謐な怪談で……山の上にある「青い古い池」で、不思議なことをしてしまう「娘」と、蛇と蛙の、日本的な異変を描きだした物語です。
 

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追記  青い池と赤い蛙のことが怪しく描きだされます。娘の消失と、生類への憐れみがみごとに混じりあった怪談の名作、という印象でした。

火星旅行 スタンリイ・G・ワインバウム

 今日は、スタンリイ・G・ワインバウムの「火星旅行」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは100年ほど前にしてはリアルな宇宙を探検する小説なんですが、なぜか火星で呼吸が出来たり、大きな生きものが居たりして、科学上はありえないことがいろいろ書いてある、レトロフューチャーなSF小説です。アメリカのSF雑誌『ワンダー・ストーリーズ』1934年7月号に掲載されたものです。
 

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追記  火星の知的な鳥「トウィール」との交流や、50万年ほどかけて作られているピラミッド怪獣、幻視の美女に変身する縄の怪獣、地球に持ち帰るべき特効薬の秘宝といった、謎の存在がさまざまに立ち現れました。1934年にもしこれを読んだら、すごい、と驚いたんだろうなあ……………………と思いました。

十八時の音楽浴 海野十三

 今日は、海野十三の「十八時の音楽浴」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは1937年に発表された近未来的なSF小説で、独裁国家の「音楽浴」で国民全てを洗脳し、あらゆる人々が独裁者に盲従し、半永久的に生きていて、死なないがためにもはや子供を生むことさえなくなります。しかし幾人かはこれに抵抗をし、国家の禁じている愛欲を求め、独裁者の奥様は不倫に命がけで、ポールは自身で自身を手術して性転換を目指し、ある者は自由のための革命を目指すのでした……。
 

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追記 爆死した博士コハクの生みだした、人造美少女アネットや、怪奇生物の様相がなんだか大迫力でした。物語の中盤から独裁体制が激化して、一日に数十分の洗脳「音楽浴」でさえ人間に限界をもたらすところ、常に四六時中ずっと音楽浴の震動を浴びせかけることになるのでした。物語の顛末としては、ミルキ夫人とコハク博士と人造美少女はじつは、女大臣アサリ女史の隠謀によって滅んでいったのでした。さいごは誰もが洗脳によって発狂してしまって、侵略される独裁国家ミルキ国の滅亡のようすが描きだされていました。爆死したはずの博士コハクと人造美少女数百人が、封印された「第十室」から現れて、死者たちのユートピアを生み出してゆくところで終幕となりました。

二黒の巳 平出修

 今日は、平出修の「二黒の巳」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 品川の花街にある「桔梗」というお茶屋で働く「お糸」さんという女性と芸者たちと、「私」や「種田君」や友人との交流を描きだした、明治末期の小説です。
 大きな病にかかったり、なんども離縁したり貧乏になったりで先行きの見えない、お茶屋あそびにかかわる男女の様相が描きだされます。
 お糸さんと藤浪君の2人は同い年で、なにか縁がありそうなのですが、どうも現実には平行線なままの二人の、人生の岐路にたった真面目な話が、なんだか印象に残りました。
 

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道 石川啄木

 今日は、石川啄木の「道」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 啄木と言えば詩人であり歌人なので、小説をあまり書かないんだろうと思っていたのですが、これは石川啄木の中編小説で、読んでみると、なにかドキュメンタリー映像のような、作品でした。5人の教師の、山道の移動と、隣村での教育の会議と、その帰り道を描いた作品でした。間延びした小説なのですが、近代文学や明治末期の教育界の難点や閉塞感を、物語全体で描きだしていて、追体験させられる作品でした。
    

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追記  三十年間も教師をやって独身のままの男性教師が、不倫の醜聞の噂を立てられて真剣に悩んでしまっている、その涙ながらの訴えを聞いてなんだか滑稽で笑ってしまっている雀部という男がどうも偽の噂をたてた犯人ではないかという疑いを持つ女教師と、主人公の多吉という教師は、老いた教師たちのことを考えつつ、長い山道を往復し、自分の人生の行く末について空想を、するのでした。

牧場の音楽師 北條民雄

 今日は、北條民雄の「牧場の音楽師」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これはほんの数ページで未完となってしまった北条民雄の創作の、没後に公開された断片作品です。北条民雄は闘病中にあまたの作品を書いていますが、未完作もいくつか残っているのでした。
 これは随筆に近い闘病の描写で、作中では宮澤賢治の詩の一節を描きだし、アコーディオンとバイオリンを手にした病棟の仲間と語らいます。
 

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追記  この未完作は「いのちの初夜」のような、あるいは「セロ弾きとゴーシュ」のオマージュ作品のような、人間の物語が描きだされるはずの草稿だったのでは、と思いました。
 途中で引用している賢治の詩の言葉なのですが、これは宮沢賢治全集のどの本にも掲載されていないものでした。具体的には、賢治のいろんな詩を、リミックスした翻案、のようになっています。読んでいてこれはまさに賢治の詩だなと思って、詳細にどの箇所を引用したか調べてみると、「春と修羅」第二集のなかからいろんな言葉を抜き書きして詩のかたちにしたもの、でした。