スミトラ物語 豊島与志雄

 今日は、豊島与志雄の「スミトラ物語」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 飴売りのスミトラおじいさんが語るふしぎな物語を、豊島与志雄が記しています。手品師5人でサーカスの旅芸人をやっている。その手品がすてきだったので15歳の少年「私」はこれに弟子入りして、諸国を漫遊する。この少年はもともと薬草の研究をしている家の出で、そのために旅先でも薬草を集めて研究をしていた。これで人を助けたりした。旅先で薬草使いとしての才覚が話題となり、海賊に気に入られてさらわれてしまう。海賊たちのねぐらから脱走するにはどうしたものか……。この海賊の首領がほんとに意外でおもしろかったです。豊島与志雄が興味を持っている生き方は、このガルーダみたいに立場を越えて次の時代へと進んでゆく人なのでは、と思いました。こっそり出てゆく、という場面がすてきでした。
 

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蠱惑 豊島与志雄

 今日は、豊島与志雄の「蠱惑」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 レミゼラブルを翻訳したことで有名な、豊島与志雄の文体がぼくは好きなんですけれども、昼夜逆転したような生活のことを、氏はこう記します。
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 私はその頃昼と夜の別々の心に生きていた。昼の私の生命は夜の方へ流れ込んでしまった。quomark end - 蠱惑 豊島与志雄
 
 「私」は謎のおとこを喫茶店で発見した。その男は、自分とほとんど同じような行動をしている。来る日も来る日も、「私」とまったく同じ店で、同じことをしている。ドッペルゲンガーというか自己像幻視のようなもの、それから近親憎悪の感覚を豊島与志雄が描きだしていました。なんだかドストエフスキーの「地下室の手記」と梶井基次郎の「檸檬」が入り混じったような、奇妙な話でした。
 

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F村での春 牧野信一

 今日は、牧野信一の「F村での春」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 F村に住みはじめた、この主人公は夜に眠れずに昼寝ばかりしている男なんですけど、夫婦でなんとか暮らしている。
 欲望の中でいちばん自制のむつかしいのが、睡眠欲なんだそうですけど、ぼくは時間だけは余裕のある生活なので、いつも多めに眠っているんですけど、この作品の主人公樽野はたっぷり時間があるのにどうも睡眠から切り離されている。それでいて昼間は眠気に襲われている。鬱々とした小説なんですけれども、ちょっと観光に出かけてみるところから、妙にすがすがしい描写があり、そのあと男は奇妙な計画を思いつくのでした。
 なんだか水木しげるの「睡眠力」というのを思い出しました。

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スポールティフな娼婦 吉行エイスケ

 今日は、吉行エイスケの「スポールティフな娼婦」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは1930年(昭和5年)の作品なんですけれども、日本に入ってきたアメリカ文化のことを書いています。ぼくはむかし、アメリカ文化が日本に入ってきたのは、1945年の敗戦後すぐの頃からだと思いこんでいたんです。じつは1930年代にはもう、ディズニー映画とかベティ・ブープといったイラストなど、アメリカ大衆文化が日本にかなり浸透していたのでした。この本が書かれた十年後には、あらゆる批判は封殺され、さらには日本国内の殺人事件まで報道禁止になってゆくんです。自由が失われる前に、騒げるだけ騒いでおこう、というような時代の気配を感じました。女たちの快活な様相がおもしろく、ロシアとアメリカと中国の文化が入り混じった、日本の近代都市が印象に残りました。

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淫者山へ乗りこむ 坂口安吾

 今日は、坂口安吾の「淫者山へ乗りこむ」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは……恋人同士や夫婦間の中で生じる問題について描いているんですが、ところどころ、考えたこともないことが書いてあって驚くんです。ちょっとぼくには説明できない内容で、全文を読んでもらうと分かるのですが、坂口安吾の記す、罪の概念が印象に残るんですけど、そこで「走りすぎた」という記述をするんです。この言葉が、すごい使われ方をしている。言葉は現実から外れて走りすぎることがあるはずで、作家がこの問題を物語を押し進めながら検討しています。後半の静謐な心理描写も迫力がありました。
  

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きのこ会議 夢野久作

 今日は、夢野久作の「きのこ会議」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 夢野久作は近代文学の中でもっとも不気味な作品を残した、恐ろしい作家だと思うんですけれども、いくつか童話を書いているんです。そこではよく、勧善懲悪や、悪が滅びる物語が描かれていて、これもけっこうギョッとするんです。ところでキノコについてwikipediaで調べていて、おしゃかさまがどうもキノコを食べて食中毒を起こした、という逸話を発見しました。そういえば仏教関連の本で、キノコについての記載が奇妙だなあと感じたことがあって、不思議に思ったことがあったんですけど、こういう説話があったのは知らなかったです。
 

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