今日は、ラヴクラフトの「時間からの影」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これは……奇妙な記憶喪失に見舞われた学者が、悪夢に見た太古の巨大遺跡群を調査する物語なんです。子どもっぽい妄想も記されているんですけど……H.P.ラヴクラフトはあまたの怪異と、まがまがしい巨大建築群を描きだしたホラー小説家なんです。ラヴクラフトが原典としたものは何か、というと、おそらくGustave Doreの絵画を幾度も引用しているのでドレの絵画から着想を得ていると思うんです。(他にもまあ、ゴヤの絵画も参照しているんですけれども)
ドレといえばダンテの『神曲』の装画を何十枚と描いた画家ですし、となると『神曲』地獄篇こそが、ラヴクラフトの悪夢の原典、その一つかもしれないです。
ラヴクラフトの今作は、まがまがしい存在を全て漆黒の中に隠し、暗黒だけを恐怖の中心に据えたのが、独自の特徴なんだと思いました。古典的なホラー小説を、全文読んでみました。
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(総ページ数/約100頁 ロード時間/約3秒)
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