我鬼 坂口安吾

 今日は、坂口安吾の「我鬼」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 戦国時代を勝ち残った秀吉の後半生を、大戦中に唯一被害を受けずに作家をやり通した坂口安吾が活写しています。能や茶といった文化に関心の深かった秀吉や、残酷な秀吉のことを記しています。親族の憎悪の描写が辛辣で、どうにもリアルな短編小説でした。
 秀次の描写はこうでした……「彼の心は悲しい殺気にみちてゐた。彼は武術の稽古を始めた。秀吉を殺すためのやうであつたが、襲撃にそなへ身をまもるための小さな切ない希ひであつた。出歩く彼は身辺に物々しい鉄砲組の大部隊を放さなかつた。いつ殺されるか分らない。」あとからやって来る「家康の影」に対する恐怖心の描写が印象にのこりました。秀吉の最晩年が描きだされていました。

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