岡の家 鈴木三重吉

 今日は、鈴木三重吉の「岡の家」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 児童文学者の鈴木三重吉の牧歌的な童話なんです。子どものための本なのでした。谷崎の言う「梨地の金」にも通底している、金色の秘密のことが、おとぎ話で描かれているのでした。
 

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谷崎は『陰翳礼賛』でこう記しています。
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 時とすると、たった今まで眠ったような鈍い反射をしていた梨地の金が、側面へ廻ると、燃え上るように耀やいているのを発見して、こんなに暗い所でどうしてこれだけの光線を集めることが出来たのかと、不思議に思う。それで私には昔の人が黄金を佛の像に塗ったり、貴人の起居する部屋の四壁へ張ったりした意味が、始めて頷けるのである。現代の人は明るい家に住んでいるので、こう云う黄金の美しさを知らない。が、暗い家に住んでいた昔の人は、その美しい色に魅せられたばかりでなく、かねて実用的価値をも知っていたのであろう。quomark end - 岡の家 鈴木三重吉