梅雨紀行 若山牧水

 今日は、若山牧水の「梅雨紀行」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 若山牧水の描く、浜名湖から奥三河への紀行を読んでみました。芭蕉や一茶など、日本文学は旅をさまざまに描いてきたと思うんです。漱石も「草枕」で旅の描写をじっくり描いていました。
 「梅雨紀行」を読んでゆくと、はじめは気晴らしにちょっと旅をしてきてはどうかと妻にすすめられて、無計画に家を出た主人公が描写され、中盤で偶然のように立ち寄った、病に臥す友を見舞うんです。ところがその友との友情とか、友の病についてはほんとに幽かにしか記されておらず淡交であって、とくに気にかけている様子も見受けられない。いつか一緒にすてきなところを旅しようと、約束しあったりしている。
 オチのところではもう、たんなる風景であったはずの鳳來寺の山に感情移入して、山に問いかけている。不思議な随筆でした。
 

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