体格検査 小酒井不木

 今日は、小酒井不木の「体格検査」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 ある小説家が、藤岡といういっけん屈強に見える男と雑談をしていて、藤岡さんが陸軍学校を不合格になった顛末を語るという、短編です。「人間万事塞翁が馬」にかんして実体験的に語る藤岡なんですけれども、文中では「まったく世の中は、何が幸福になるかわかりません」と記しています。その軍隊には奇妙なルールというのがあって、それによって不採用となった。考えてみれば、採用されずに幸運だったように思います。異様なルールがあるからには、苦が増すルールも何処かに潜んでいる可能性も高い。冗談のように記していて、笑えるような、笑えないような、妙な短編でした。みじめなことがらがかえって幸運をもたらすとか、そういう方向性の、ちょっとした小話でした。
 

0000 - 体格検査 小酒井不木

装画をクリックするか、ここから全文を読んでください。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
 

最初の苦悩 フランツ・カフカ

 今日は、フランツ・カフカの「最初の苦悩」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 カフカは子どものころにサーカスの曲芸を見て、いろんなことを空想したんだろうなと思う短編小説でした。
 カフカの『城』でも印象深かったのですが、とにかくただ一つの方針だけに徹することになってしまっている人間の姿、というのをカフカはなぜか描くことがあると思います。ブランコ乗りの曲芸師がもうずーっとブランコの上で訓練を積み重ねて高いところで暮らしている。ブランコから下に降りることがほとんどまったく無い。
 ひとつのことに特化して一本化された状態を継続させる、奇妙な生き方……。現代的な内容に思いました。「最初の苦悩」という言葉をどういうようにカフカが描きだすのか、終盤の1行がみごとなんです。不思議な構成の小説でした。
   

0000 - 最初の苦悩 フランツ・カフカ

装画をクリックするか、ここから全文を読んでください。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
 

僕の帽子のお話 有島武郎

 今日は、有島武郎の「僕の帽子のお話」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 有島武郎の代表作を読まずに、偶然これを読んでしまったのですが、これは、小学生の主人公「ぼく」のたいせつにしている帽子が、なんだかコロコロ転がって妙なことがつぎつぎに起きてゆく、奇妙な夢魔の物語です。最初のところの、少年の不思議な世界観と、こどものころによくあった「無くなるはずのないものがこつぜんと消えてしまう。モノが不思議とどこかに行ってしまう」という感覚がおもしろかったです。大人になると、モノが消えるのはただの不注意だなと思うんですけど、子どもの頃はなにか不思議な力が働いたのではと夢想するわけで、それがどんどん進んでいくのがユーモラスな物語でした。
 

0000 - 僕の帽子のお話 有島武郎

装画をクリックするか、ここから全文を読んでください。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
 

Dream Tales 谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「Dream Tales」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これはどうも、夜に見る夢をそのまま書き記していった、3つの小品のようです。ほんの3頁の掌編です。夢の中に現れて、暖かな手をさしだしてくる女性の描写が印象的でした。
  

0000 - Dream Tales 谷崎潤一郎

装画をクリックするか、ここから全文を読んでください。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約3頁 ロード時間/約10秒)
 

薔薇の女 渡邊温

 今日は、渡邊温の「薔薇の女」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは紳士の礼儀を重んじる怪盗の話、をする紳士っぽい男の奇妙な話で……。ほんの数ページの掌編小説です。
 

0000 - 薔薇の女 渡邊温

装画をクリックするか、ここから全文を読んでください。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
 

秋は淋しい 素木しづ

 今日は、素木しづの「秋は淋しい」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 初夏の青々としたもみじの美しさはそうとうのものでお勧めだ、という話を聞いたことがあるのですが、今作では、秋に見る老いた桜の木のことを描いています。
 近代文学に描かれるさみしさというのは、ちょっと現代人はめったにまのあたりにできないものに思うんです。飽食の時代では無い……。身体に栄養がゆきわたっていない人々の生きている世界が淡淡と記されています。病のために身体も痩せ衰えてゆく。素木しづは朝子の体躯を「美しくない」と記すのですけれども、ぼくはこの朝子に関する描写はエゴン・シーレの絵画のように美しいものに思いました。
 

0000 - 秋は淋しい 素木しづ

装画をクリックするか、ここから全文を読んでください。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)