論語物語(16) 下村湖人

 今日は、下村湖人の「論語物語」その16を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 見知らぬ老翁がやってきて、孔子と話しをしたいという。この老翁は関所役人で、四十年間もずっと番人をしてきた人です。ふつうのお偉いさんなら相手にしないはずのところ、礼を重んじる孔子は、その人と話し込んだ。孔子の考えとしては「人を知らざるをうれう」ということで、知らない人について知ろうとする意志が強い。
 老翁は帰り際に、
「(孔子)先生を魯の国だけに閉じこめて、役人などさして置くのは、勿体ないとは思いませぬかな。」
と孔子の弟子たちに言うんです。賛成派の身内とだけつき合っていては危険だ、とは思うんですけど、じっさいに弟子たちが見落としがちなことを、下村湖人が上手く表現しているように思いました。それから権力者にすり寄る態度をこの論語では批判しているんです。詳しくは本文をご覧ください。

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論語物語(15) 下村湖人

 今日は、下村湖人の「論語物語」その15を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 詩とはどういうものかを、孔子が論じているのがおもしろく「人間に人生を見る眼を与えてくれる。人と共に生きるこころを養ってくれる」これが詩だというんです。さらに「また怨み心を美しく表現する技術さえ教えてくれる」とも孔子は言います。
 それから学問にかんして「聞きたがる心というものは、その人の軽薄さを示すだけで、別に大した効能はない」と述べていて、これもなんだかずいぶん高度なことを言うなあと思いました。ふつう、ちゃんと調べるとか聞く耳を持つというのは重大なことだと思うんですけれども、そういえば本物の哲学者は、検索をして答えを調べるということさえせず、時間をかけて考える、らしいです。ぼくは検索をし続けるのが好きなんですけど。
 

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論語物語(14) 下村湖人

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 今回は仲弓という人物が登場します。孔子は弟子にたいして厳しいのですが、仲弓に対しては妙に褒めつづけるんです。いったいどういうことか、と本人も謎を感じている。孔子が仲弓を誉めそやすので、弟子たちは強い嫉妬心を抱いて陰口が増してゆき、いざこざが起きます。怨みや嫉妬が生じるのは「何といっても自分を愛し過ぎることにある」という指摘があってたしかにその通りだと思うんですけど、これが「悪の根源」なんだと、孔子が考えるのにはギョッとしました。
 老子は「曲なれば則ち全し」と「曲がりくねった木は使い道が無いのでかえって人生をまっとうできる」という話しをしているんですけれども、これがなんだか、孔子の話を読んでいると妙に思いうかぶんです。孔子は老子と深く関わっていて、老子の教えを受けていたと史記に記されているんです(史実としては老子と孔子は生きた時代が1世紀くらいズレているんですけど)。今回も、むつかしい話しでした。
 

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論語物語(13) 下村湖人

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 食も物も不足していた時代であるはずの、二千五百年前に音楽をやるというのは、今の時代とだいぶちがうのではないかと、思うんです。宇宙に行くくらいむつかしいのか、聖堂のパイプオルガンを演奏するくらいは難しいことだろうなと、いろいろこう、自分なりに設定してみて、物語を読んでみました。厳かな音楽を演奏する楽長の話なんです。本文とまったく関係無いんですけど、けっこう新しい映画館にテネットを見にいったら、音響がすこぶる良くて、久しぶりに音楽を堪能したんです……。
 ちょっとなんだか今回の論語物語は、宮沢賢治の『セロ弾きのゴーシュ』でも思いだしながら、下村湖人がこの話を作ったのではないかと空想しました。
 

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論語物語(12) 下村湖人

 今日は、下村湖人の「論語物語」その12を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回は「考」のことが論じられていました。wikipediaの『考』の頁が参考になりました。
 魯の権力者の三桓と呼ばれている男たちの悪行から話しが始まるんですが「専横のかぎりをつくして、国民怨嗟の的になっていた」のがこの三桓であると書いています。孔子はどうやってこのヤバイ権力者とつき合うのか、のちのちはこの権力者たちのもとで働くことを辞めた孔子なんですけど、可能であるなら力をそぐ必要がある。このような相手にこそ、非礼にならないように注意深くなっている……。
 考に基づいた慰霊祭に、孔子が関わってゆくわけですが、今回の家廟の祭に関して、良いはずのこともやりすぎたらダメなんだという孔子の話は、ぼくにはなんだか納得のゆくところがありました。美術や学究はとことんやり尽くさないと、はなしにならないと思うんですけど……。
 

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論語物語(11) 下村湖人

 今日は、下村湖人の「論語物語」その11を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回は孔子が、仕えるべきでは無い権力者に対して、いったいどのようにして依頼を断るのか、ということを描きだしていました。敵対するつもりは無いけど、なにがあっても関係を断るつもりの相手に、どうすれば正しく対応できるのかという話しでした。難しい状況では、丁寧さが重要になることが多いのだ、と思いました。
 

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