今日は、原民喜の「苦しく美しき夏」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
『苦しく美しき夏』は昭和二十四年に記された「私」と「妻」の物語で、妻がとつぜん体調を崩すところが描かれます。入院をして治癒して家に帰ってくる場面があります。本文こうです。
妻が家に戻って来て、療養生活をつづけるようになってからも、烈しく突き離されたものと美しく灼きつけられたものが、いつも疼いていた。
ここの前段の、赤の描写が印象的でした。「静かに少しずつ恢復へ向っているような兆」がみえてくる描写があります。原民喜の妻は、原爆投下の1年前である昭和19年9月に亡くなっています。この掌編小説を書いたのはその5年後のことです。原民喜の小説を読むときは、同時に「WEB広島文学資料館」のサイトを閲覧することをお薦めします。
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