旅の仲間 アンデルセン

 今日は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの「旅の仲間」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 ヨハンネスは父を亡くし天涯孤独になってしまうのですが、新たに生きるため旅をはじめる、という童話でした。父親からもらったお金は、貧しい人にあげてしまう。以下の箇所が印象に残りました。本文こうです。
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  お墓には、きれいに砂がもってあって、そのうえ、花まで飾ってあるではありませんか。これは、よその人たちが、しておいてくれたのです。というのは、死んだおとうさんは、みんなにたいそう好かれていたからでした。quomark end - 旅の仲間 アンデルセン
 
 良いことをした人のゆく天国、というはなしが序盤に描きだされてゆきます。これは……幸福に生きつづけて晩期を迎え、その良い生き方の印象と影響は、死後であってもはっきりと残りつづける、ということでもあるんだなあと、思いながら読みました。物語には、なんだが偶然のように「旅の仲間」とめぐりあって2人で旅をして、不思議なお姫さまと、死んでいったフィアンセ候補たちが記されてゆきます。お姫さまが今どんなことを考えているかを、3回も言いあてなければ、魔女の命令で倒されてしまう、というルールなんです。お姫さまは悪い魔女に洗脳されているんです。心やさしいヨハンネスは、お姫さまの美しさを信じようとします。けれども背後には死を司る魔女がいます。本文とは無関係なんですが、かの極北の帝王の娘が小さな幸福をつかむには、アンデルセンのこの物語のような危険な賭けを経て、人間的になるしかないのだろうと、思いました。ただの脇役のように見えた「旅の仲間」という男が、秘密裡に、さかんに活躍します。
 いやー、これはすさまじい、とうなるような幻想小説の描写もあります。最後の最後に、ある人物の正体が記されます。みごとに劇的な童話でした。
 

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