今日は、寺田寅彦の「断水の日」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
1921年12月8日の茨城県南部地震と、これに伴う東京の断水のことを記していました。老朽化した建造物が今後は増える、この危険性のことを寺田寅彦が思案してます。寺田寅彦のように考える人が多数派だったら、そののち百年の日本の公害被害はもっと少なくなったのではというように思いました。
百年前の東京では、壊れかけの商品が多く「鳴らない呼び鈴」というのがそこいらの家々にあった、というかなりどうでもいい雑学がなんだか百年前の東京を妙に印象づけるものに思いました。切れない刀、壊れている新製品、水の出ない蛇口、誤った科学知識、と災害後に妙なことが思い起こされてゆくのでした。粗悪品に手を出さない、というように消費者側が知恵を持つことの重要性についても書かれていました。
どうしても「うちの井戸」を掘る事にきめるほかはない。
という最後の一文が妙に隠喩的で、印象に残りました。
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